やをなむ

カメラの話題が中心です。撮った写真とか機材のこととか。

暗くてカッコいいコスプレ写真を撮る方法…全て公開します!!

引き続き頑張ってブログを更新していきたいと思います。

 

さて、1年ちょいコスプレ撮ってて、明るいのから暗いのまでひと通り撮れるようになりました。ちょっと前にまとめたのTwitterに投稿したんですが大体こんな感じ。

 

ただ、色んなレイヤーさんに話を聞いてみると暗いのちゃんと撮れる人って割と少ないみたいです。

撮影の募集案件見てるとたまに「暗所大丈夫な方」みたいな募集条件入っているのもそのせいかもしれません。

 

暗い写真撮るのは確かに難しいんですが、一方で暗い写真を撮れるようになれば明るい写真が自在に撮れるようになるのもまた事実。 

そして暗い写真はいくつかコツを掴めば思いのほかすぐ撮れるようになる気がします。

 

暗い写真撮れるようになるとものすごい表現の幅が広がるのに、諦めてしまう人もそれなりにいるのはもったいない。。

というわけで、今回は私がこれまでの撮影で培ってきた暗い写真を撮るスキルや考え方を全て公開します!!

 

暗いの撮れる人増えるとレイヤーの方々のカメラマン探しももう少し楽になるかもですし、逆に暗いの撮れないからといって撮影依頼受けるのを諦める人も減ればいいなあとかなんとか思ってます。

 

これを読んで何回か撮影こなせば多分こういう写真が撮れるようになるはず。

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(model: https://twitter.com/shi__ma__yuu

 

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(model: https://twitter.com/0_0re

 

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(model: https://twitter.com/kakkou020619

 

結構長いですが、最後までお読みいただけると嬉しいです(*‘ω‘ *)

それではどうぞ!!

 

 

コツ①:「暗い写真を撮る=明暗差をはっきりさせる」という意識

まず何よりこの意識を持つことが重要だと思います。

部分的に明るくなっているからこそ暗くなっている部分が際立つわけなので、漠然とライティングを組むのではなく「どの部分を明るくするか?」「どこにハイライトを入れるか?」という考え方でライティングを組んでみましょう。

 

私の場合、なにはともあれ顔にどう光を当てるかというところから組み始めます。

そのあとで、必要に応じて身体の周りにハイライト入れたりとかもう少し身体全体に光を回そうとか、全体のバランス調整をしつつ最終的なライティングを決めていく感じです。

 

例えばこれ。

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(model: https://twitter.com/kakkou020619

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普通に前からストロボ当てて顔だけ明るくしてもウィッグが後ろの黒壁に同化してしまってよく分からなかったので、レイヤーさんの後ろにもう1灯仕込んで顔の横あたりに光入れてちょっと全体の輪郭を強調してます。

 

特に黒ホリは後ろにストロボ仕込むと輪郭にハイライト入っていいですね。

この2枚目もライティングのセットは全く同じです。

 

 

コツ②:出来るだけまっすぐ光が進むディフューザーを使う

次は機材的な話です。

ちょっと前に使ってるライティング機材とそれぞれどういう風に使い分けているかをまとめたのですが、もしまだお読みでなければ先に読んでいただくのが良いかもしれません。 

www.yawo76.net

 

で、暗い写真を撮りたいときは基本的にソフトボックスを使います

なぜなら光がまっすぐ進みやすいのでコントロールしやすく、折りたためて持ち運びも比較的楽だからです。

 

アンブレラでも出来なくはないですが、ソフトボックスに比べるとかなり拡散してしまい、余計なところにまで光が回りやすいのでやはりソフトボックスを使うのがベストですね。グリッド付けれるとなお良しです。 

 

おすすめはグリッドもついてるこのあたりかなあと。

色温度とか気にしはじめるとたぶんProfotoとかになっちゃうんですけど、とにかく高いし普通に使う分にはAmazonで買える格安ソフトボックスでも十分なので、とりあえずこのあたりのが1〜2個あると便利だと思います。

 

ほかにもオパライトにハニカムグリッド付けたり、スヌートで更に絞った光にしたりとかも考えられるんですが、持ち運びが大変なので折りたたみのソフトボックスの方がオススメです。

 

とはいえ、オパライトはスタジオ備品であれば借りてもいいかも(こういうやつ↓)

 

コツ③:被写体と背景の距離は出来るだけ離す

実際にライティングとか組み始める前段階の話ですが、被写体の方には出来るだけ背景から離れてもらいましょう。

被写体と背景の距離が近いとどうしても前からのライティングの光が回ってしまい、意図せず背景の壁が明るくなったりします。

 

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もし光が回ってしまって背景が明るくなるようであれば、とりあえず被写体の方に少し前に出てもらうか、壁に光が回らないようにストロボを置く位置を調整しましょう。

 

それでもダメなら、出来るだけ望遠側の焦点距離を使って画角を狭めるというのも一つの手です。

とにかく、意図せず背景にストロボ光が回るのは避けたいところ。

 

 

コツ④:カメラはMモードにし、まず絶対に動かせない数字を決める

さて、実際に撮影していくときには暗い写真・明るい写真を問わずマニュアルモードがオススメです(というかマニュアルじゃないと安定して暗い写真は撮れません)。

 

後述しますが、ライティングするときの露出はISO感度・絞り値・シャッタースピード・ストロボの強さで決まります。で、わたしは撮影時に必ずどれか1つの値(場合によっては2つ)を固定してから撮影してます。

 

これが絞り優先オート(AとかAvとか)だと、絞り値に応じて自動的にシャッタースピード等が変わってしまうのでコントロールが難しいです。

なのでマニュアルモードで撮るのが望ましいというわけ。

 

例えば暗い写真を撮るとき、まずシャッタースピードを1/160〜1/200秒くらいに設定してから、他の項目を調整して最終的な露出を決めていきます。

これはシャッタースピードを同調速度の限界まで上げないと背景が暗くならないので、まずはシャッタースピードを固定してから始めるというわけです。

 

例えばこの2枚目とかだとISO160・シャッタースピード1/200秒・f/4.0ですね。

ライティングは斜め前にソフトボックス1個だけ置いて1灯で撮ってます。

天井の照明を切ってもまだ明るかったので、限界まで背景の露出を下げるために最初にシャッタースピードを1/200秒に固定してから調整してました。

 

 

他だと、複数人が前後に立っている構図で被写界深度を稼ぐために絞り値をf/8くらいに固定したりだとか、多少連写してもチャージが間に合うようにストロボの光量を抑え気味に固定しておくだとか。

ケースバイケースではありますが、とにかく「最終的に何をしないといけないのか?」というところから逆算し、どこか1つを固定してから他を決めるようにしましょう。

 

 

コツ⑤:背景の明るさはISOとシャッタースピードで調整する

暗い写真を撮るときは露出をちゃんと理解出来ているかどうかがかなり重要になってきます。 

これも少し前に書いたので、自信がない方は以下記事もご参照ください。

www.yawo76.net

 

で、背景の明るさは基本的にISOとシャッタースピードで調整します。

低感度でシャッタースピードが早いほど露出は下がるので、限界まで暗くするならISO100・シャッタースピード1/200秒とかですかね。

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(model: https://twitter.com/0_0re) 

この撮影データはISO64、シャッタースピード1/250秒、f/2.8です。

ストロボは前にソフトボックスを付けたの2灯で挟み込んで撮ってます。

 

真後ろは白い壁なんですが、十分に背景との距離を空けること、そしてISOを限界まで低感度にしつつシャッタースピードは同調速度の限界ギリギリまで速めることで背景を黒く潰しています。

 

 

あと冒頭のこれ。

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(model: https://twitter.com/kakkou020619

これはISO640、シャッタースピード1/60秒、f/9.0です。

ストロボの配置はこんな感じ。

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なんでISO高めかつシャッタースピード遅めにしたかと言うと、周りにあるぼんぼり(定常光)の灯りを十分に確保したかったからです(たぶんさっきの写真と同じ設定で撮ったらぼんぼりの灯りは完全に消えます)。

 

こんな感じで、わたしはISOとシャッタースピードで被写体以外の部分の露出を決めていきます。「必ずこう設定すれば良い!」といった必勝法のようなものは無いので、このあたりは色々試してみて感覚で覚えていってもらえればと!!

 

でもとりあえず、背景露出に困ったらISOかシャッタースピードの値を調整すれば大体なんとかなる気がします。もしお悩みの方がおられたら是非お試しください。

 

 

コツ⑥:被写体の明るさは絞りとストロボで調整する

背景の露出が決まったら次は被写体の明るさです。

これは基本的に絞りとストロボで調整していきます。

 

もっとも前述のとおり、被写界深度を稼ぐためにどうしても絞り込まないといけないときがあるので、その時はストロボの光量のみで被写体の明るさを調整します(場合によってはISOもいじりますが)。

 

絞りを開けてストロボの光量を上げれば被写体が明るくなります。暗くするのはその逆。

 

この1枚目はISO64・シャッタースピード1/250秒、f/3.2です。

ストロボは前掲の夢子同様、ソフトボックス2灯による挟み込み。

 

後ろの白壁を黒く潰すのはISO感度を限界まで下げてシャッタースピードを速めることで対応してます。

一方、出来るだけ被写体を明るくするために絞りはかなり開き気味にしています。ストロボの光量は正確に覚えてないですが、1/4とか1/8とかで撮ることが多いのでこれも多分それっくらいな気がします。

 

なお、厳密には絞り値いじると全体の露出も変わってしまうんですが、ISOやシャッタースピードに比べると背景露出への影響がかなり小さいので、半段くらい絞り変えても背景露出への影響はほぼ誤差の範囲に収まると思います。

 

万が一背景露出が変わったら、まずはシャッタースピードで調整しましょう。ISOを触ると被写体露出にも結構影響するので。

 

 

コツ⑦:ストロボ類は出来るだけ被写体に近づける

これもケースバイケースなんですが、個人的にはストロボ類を出来るだけ被写体に近づけてセットすることで上手く暗い写真が撮れることが多いです。

 

当たり前なんですが、光源が離れれば離れるほど光は拡散して弱まります。理屈的な話を知りたい人は逆二乗の法則とかでググってください。

一方で、暗い写真で重要なのは①で書いたとおり明暗差をはっきりさせる(=コントラストを上げる)ことなわけです。

 

コントラストを上げるには、光のロスが出来るだけ少なくなるように被写体にストロボ類を近づけることが有効です。

画角に入り込まない範囲で、出来るだけストロボ類を近づけてみましょう。

 

 

コツ⑧:現像で更に追い込む

以上、撮影段階で気を付けること7つでした。

たぶんこの7つ意識して撮ってもらえれば撮って出しでもある程度良い感じになると思うんですけど、最終的に現像で追い込むと更に素晴らしい写真に仕上げることができます。

 

例はフィギュアですが、例えば補正前はこんな感じの写真を…

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軽くコントラストをはっきりさせてみました。

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数十秒くらいで適当にいじっただけですが、結構印象が変わるものですよね。 

 

よくやるのはコントラストとハイライトの調整です。

が、作り込んだブースで周りの小物とかもちゃんと見せたいときはコントラスト下げたりシャドウ上げたりしてます。

 

あと部分的にハイライト足りなかったら部分的に補正しますねー。少なくとも顔については顔補正用の専用のプリセット作ってます。

 

 

オマケ:レタッチでなんとか出来たりもする

以上が暗い写真を上手く撮るためのコツでした。

最後にオマケとして、撮影段階では上手く出来なくても頑張れば現像でもなんとか出来るという例をお見せしておきましょう。

 

作例はこちら。スタジオ撮影始めて3回目くらいの撮影だったと思います。

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(model: https://twitter.com/shi__ma__yuu

 

これ、撮って出しの段階だとこんな感じでした(※上半分のトリミングです)。

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一応暗くは撮れてるんですが、全体的に結構フラットな感じになっていてメリハリがありません。

  

データ見ながらなんかイメージ違うなあと思い、Lightroomで部分補正ブラシで修正しつつ上記作例に仕上げていった感じです。

なお、今同じことするならPhotoshopでもう少し効率的にやりますが、あの頃まだ全然Photoshop使えなかったのでLightroomでゴリ押してました(

 

レタッチでどうにかするときも意識すべき点はコツ①と同じ。すなわち、明暗差をはっきりさせるということです。

上記作例の作業行程をざっくりまとめると、まず全体の露出を下げ、肌の部分を明るくしていったうえで最後に少し服の明るさを足してます。

 

ポイントは撮って出しのデータで明るくなってる部分を重点的に明るくすることですかね。

 

ただ、レタッチでどうにかするのは最終手段だと思っておいた方がいいです。

それなりに時間もかかりますし、やっぱり元データがちゃんとしてるデータを追い込んだものにはどう頑張っても敵わないので。。

 

基本は現場である程度仕上げておいて、現像では追い込む程度に留めておくのが良いでしょう。

 

 

まとめ

撮影のコツからレタッチでのデータ救済方法まで、ひととおりまとめてみました。

 

普段から色んなテクニック本やウェブサイト見て情報収集してますが、あんまり暗い写真に特化したものって見たことない気がします。その辺りもハードルが高い理由かもしれませんね。

 

ただ、突き詰めて考えると露出をちゃんと理解できているかという点に集約される気がします。

逆に言えば、露出さえちゃんと理解していれば背景の明るさとかも自在に調整出来るようになりますし、どんな場面でも応用が効きます。

 

「暗い写真は難しい」という固定観念は捨てて、あまり考えすぎずにいろいろ試してみてもらえればなあと思います。こういうのは実践こそ重要です。

 

この記事を読んで、少しでも暗い写真へ挑戦される方が増えると嬉しいです(*'ω'*)

ではではー。

 

 

(※なお、「まだ全然そんな知識ないよー」という方がいれば、ライティングを含めた基礎知識を得るのにこの本を読むのが一番良いと思います。割と必読の一冊かなあと。)

クリップオンストロボ 本格ライティング ~オフカメラストロボ撮影を基礎から学ぶ

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